「売上が落ちてきたのでお店のメニューを変えたい…」「もっとおしゃれでかっこいいメニューにしたい…」「新しくお店をやるのでメニューを作りたいが、何からやったらいいのか…」また、作ってはみたものの、なかなか上手くいかなかったという方もいるのではないでしょうか?
メニューを自作する場合と、外部に発注する場合のいずれにしてもメニューデザインには大切なポイントがいくつかあります。デザインのポイントをきちんと理解して抑えれば、メニューの効果は上がります。
今回は、売れるメニューとは?を意識したメニューデザインのコツを紹介します。
飲食店に関わる特に販促担当、飲食店デザイナーの方々は必見の内容になります。
忙しいお仕事のスキマ時間にちょっと覗いていってください!
飲食店でよくある課題
飲食店が営業していく中で、日々様々な問題が発生しています。今回取り上げる課題は、日常業務の中でほんの一握りかもしれませんが2で解説していくメニューデザインの出来るコトの理解を深めていくためにも課題の共有は必要だと思いますので、さらっと目を通して、参考にしてみてください。
スタッフのスキルに“バラツキ”がある
店長やベテランスタッフのおすすめトークと新人スタッフやアルバイトのおすすめトークでは、スキルに“バラツキ”がありませんか?
平日と週末のお客様対応に差が出る
比較的空いていて接客時間が取れる平日の状況と金・土・日の混んでいる多忙な週末の状況では、お客様への対応の質に差が出てしまっていませんか?
お店のこだわりがお客様伝わらない
お店のこだわりやおすすめの食べ方など、ちゃんと説明してるつもりでもなかなかお客様に伝わっていないのはどうしたらいいの?
メニューデザインが出来る5つのコト!
【2】顧客満足度アップ
【3】業態の価値訴求
【4】オペレーションの改善
【5】スタッフとの意識共有
突然ですが、メニュー表を制作する理由としてはどんなことがあるでしょうか?
メニューの変更時期だから?ボロボロになってきたから?なんとなく季節的に変えとこうかな?
デザインに飽きてきた?新しくオープンするので? などなど。
多くは「季節的に」だったり「見た目」など、なんとなくと言う理由が多い傾向にあります。
目的が曖昧なメニュー表は、さまざまな「機会損失」が生じている可能性があります。
しかし、メニューデザインが出来る5つのコトをしっかりと埋め込んだメニュー表は、
お店にとって重要な「戦略ツール」となります。
メニューデザインが出来る5つを解説!
ここでは、先ほど紹介した「メニューデザインが出来る5つコト」についてより詳しく解説します。
客単価・利益率アップ
⇒出数のコントロールによる収益改善
「見せメニュー(利益率は低いが人気があるもの)」「儲けメニュー(利益率が高くすぐに提供できるもの)」を把握し、注文しやすいカテゴリー構成、パッと見て必ず目に付くような料理の見せ方にして、露出方法を最適化します。最適化する事で出数をコントロールできて、客単価や利益率の向上に効果を表します。
顧客満足度アップ
⇒食べたいものを選びやすくする適正訴求
大きな料理は迫力のある写真で、小さな料理は他の料理とのバランスを考えた大きさで表示します。また熱い料理・冷たい料理はシズル感のある湯気をつけたり、一目でわかるように熱・冷のアイコンをつけるなど、それぞれの特徴を効果的に表現します。メニュー表を見た時に感じる料理の魅力と、実際に目の前に出てきた時の料理のギャップをなるべく作らない様にします。
業態の価値訴求
⇒お店の魅力を正確に伝える
業態・店舗の特徴や魅力を伝える広告効果です。創業何十年と歴史のある老舗の場合は、メニュー表を開いた扉ページで歴史を語ります。カジュアルなファミリーレストランの場合は、手書き文字やイラストを使い楽しく親しみのある表現にします。グラフィックデザインが担う最も大きな部分です。
オペレーションの改善
⇒ホールとキッチンの機能向上効果
お客様の注文をコントロールする事で、調理場のポジション集中を緩和させる事が可能です。提供スピードの早いもの、遅いものを考慮した構成にする事でホールとキッチンのオペレーションを向上させます。例えば、提供までに時間がかかるものを最初に注文してもらい、待ち時間として提供スピードの早いものを注文してもらいます。一旦流れを作ると、イレギュラー注文が減り、ホールとキッチン両方のオペレーション効率化に繋がります。
スタッフとの意識共有
⇒お店の理念共有、スタッフのマインド向上ツールとして
業態コンセプト・経営者の想いである店舗本来のあるべき姿を共有し、スタッフが正しく顧客にお店のブランドを伝える教科書的な啓蒙効果を得ます。
メニューデザインするには自作、外注どっちを選ぶ⁈
メニューデザインには、大きく2つの制作方法があります。
お金はかけずに手っ取り早くメニュー表を作りたい人は、自作するのがおすすめです。
Canvaなどのデザインテンプレートサイトなどを使い、自分(社内)で制作します。メリットは無料テンプレートを使えばお金がかからないので、デザイン費はかかりません。デメリットは自分で制作する時間と手間がかかってしまいます。
逆に、デザインクオリティの高いメニュー表を求めている人は、外注するのがおすすめです。外部デザイナーへデザイン依頼になります。ココナラなどでしたら手軽にプロのデザイナーへメニューデザインの発注ができます。さらにこだわりたい場合は、メニューデザインの専門会社へ依頼すると、より専門的な目線で考えてメニューを制作してもらえるのでおすすめです。メリットは、発注するだけで自作するよりもイメージに近いクオリティの高いものが出来るということです。デメリットは、依頼先により金額は異なりますが、デザイン費が発生してしまうことです。
おすすめのメニューデザイン紹介!
最後に、私がメニューデザインの専門会社在籍中に実際に制作してお店に導入してメニューデザインを厳選して2つ紹介します。
とりかわ権兵衛
昭和43年、福岡博多にて創業。究極のとりかわをはじめ、もつ鍋や焼豚足など本場博多の美味しい料理を提供しています。
博多名物の「とりかわ串」「博多焼豚足」「もつ鍋」をもっと売れるようにするために、お店の楽しみ方を「指南書」として差し込みメニューで使用しています。
・オペレーションの改善
・客単価・利益率アップ
ポイント①
鍋の作り方がまとめている為、初めて鍋の説明へ行く従業員の緊張感を和らげます。また、お客様へ鍋の作り方についての説明で呼ばれる機会も少なくなり、他の業務や接客に集中することが出来るようになります。よって従業員のオペレーションの軽減と接客サポートツールとして活用できます。おすすめ商品をまとめている為、従業員へのセールストークのトレーニング時間も削減できます。
ポイント②
おすすめ商品を絞った事で、売りたい商品をコントロールでき出数が安定します。コントロールした出数を元に、正確な発注基準値の作成が可能になりロス食材も削減でき、原価率が安定してきています。
お好み焼き 千房
道頓堀のお好み焼の専門店「千房」。千房グループ秘伝のレシピで焼き上げるふわふわ食感のお好み焼です。お好み焼は注文を受けてから生地を作成して、千房が独自開発した火入れすることで甘みが増す「半生ソース」で仕上げます。
お店の楽しみ方を「指南書」として、差し込みメニューとして使用しています。
・出数コントロール
・タイムロスをなくし顧客満足度低下の防止
・オペレーションの簡素化
ポイント①
ハードカバーの弱点は、“メニューの見漏れ”。そこを解決するために、メニューブックをみなくても、この1枚で注文して欲しいものが分かります。
ポイント②
お好み焼きは、メインが食べられる状態になるまで非常に時間がかかり、お待たせする事が多々あります。「まだですか?」などの質問で、ホールスタッフのオペレーションに負荷がかかるため、待ち時間の間にすぐに提供出来る料理をお薦めして“お待たせしない注文方法”を掲載しています。
まとめ
・スタッフの接客サポートツールである
・お客様が注文し易い導線になっている
・お店の想い(業態、商品価値)が伝わっている
「良いメニューデザインの定義」とは、上記のポイントを押さえてデザインする事が大切です!
今回は、メニューデザインが出来るコトについてまとめてみました。メニューを制作する際に、悩む飲食店関係者の方はかなり多いと思います。お店の解決したい課題とメニューを制作する目的を理解した上で、出来るコトを埋め込んでみてください。店舗の状況に左右されることが無く、お店の想いを的確に伝える事が出来るメニューブックは強力なホールスタッフの一員と考えています。ぜひ実践してみてください!
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